開店までまだ間がありますので(6)最終回

さんりんしゃ

2015年10月29日 01:53

(前回の続き)

さて、なんとか宿舎の前までたどり着きます。
普通の民家です。管理人はイタリア人女性と聞いております。

ノックすると出てきた管理人さん。
ペラペラペラァ~~

もちろんイタリア語・・・全くわかりません・・・

よし!ここまで来たら日本人の伝家の宝刀!

「愛想笑い」と「うなづき」で乗り切ります!

中に入っていくと、日本人らしき姿が!

(ヤタっ!やっと日本語がしゃべれる!)

そう思うのもつかの間、彼から発せられた言葉は・・・

「チャオ ピアチェーレ!ソノ ミツル。コメ シ キアーマ?」

うおおおお!ここでは日本人もイタリア語かああああ!!
「愛想笑い」も「うなづき」も限界かあああ?

「ち・ち・ちゃお あの・・・三輪です。ども・・・」

「三輪さん。下のお名前は?イタリアではみんなファーストネームなんですよ。」

ファーストネーム???

40過ぎの体育会系のおっさん。友をファーストネームで呼び合ったことなどありません。

「あの・・・マサヒロですう・・・」

宿舎には6名の日本人がいました。

その中のミツル君だけ3ヶ月早くイタリアに居て、他の5人は同じ日の留学でした。

ミツル君はあえて僕ら5人に早くイタリアに慣れさせるため、ファーストネームで呼び合うようにしたんだと思います。

それから6人はめっちゃ仲良くなりました。前記の「マサキくん」「アキタカさん」そして「ユウマくん」「ミツオさん」「ミツルくん」そして「マサヒロ」

みんな漠然と夢を抱いてイタリアに来た仲間でした。

たった2ヶ月しか過ごしてないけど、これから一生支え合える友達です。

もちろんリアチ(料理学校)で出会った仲間や、ピストイアのレストランの仲間、大切な友達になりました。

40過ぎのおっさんの小さな小さな大冒険。ほんとに楽しい3ヶ月でした。

もうすぐ「イタリア食堂さんりんしゃ」が動き出します。
これからあの時感じたこと少しでも料理で表現できたらと思います。

「さんりんしゃ」のようにゆっくりゆっくりと。

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