お座敷イタリアン さんりんしゃです。
という書き出しでいつも始まってます。
お店を始めるにあたり、私は「お座敷」のある貸店舗を最優先で探しました。
なぜかといいますと、老若男女、色んな方に楽しんでほしかった。
中でも小さなお子様とご一緒でもゆっくり楽しめるお店が作りたかったからです。
私には中学の一人息子がいます。
彼がまだ小さい頃、家族で外食するのですが、やっぱり泣いちゃったりすると周りの目が気になります。
当時、私はコック修行中だったので料理勉強のため、ちょっとお高いお店に食べに行きました。
もちろん妻と息子も一緒に。
息子が4~5歳だったかなあ。やっぱ大人な雰囲気の中でじっとしてられなかったんです。
すると店員さんから注意されちゃいました。
こういったことについては賛否両論あると思います。
でも、やっぱり私はコックとして色んな方に美味しいものを食べてもらいたい。
小さなお子様がご一緒でも気にせず楽しんでもらいたい。
そんな思いが子育ての経験から、どんどん大きくなりました。
そして始めたお座敷イタリアン「さんりんしゃ」!
おもちゃや絵本も買い揃え、お子様どうぞ!お座敷で遊んでくれえ!と気合十分!
しかし、最初の頃は閑古鳥・・・
そんな日が続いたある日、ママさん7名とお子様8名のお客様がいらっしゃいました。
大変喜んでお食事いただき、お帰り際に、厨房にいる私に聞こえるように
「ごちそうさまでしたあああ!美味しかったでーーす!」
と全員のママさんが大きな声で言ってくれたんです!
ほんっと嬉しかったです!
その時は「こんなお店がやりたかったあっ!」と、恥ずかしながら泣きながらフライパン振ってたのを思い出します。
(小さなお子様をお持ちの皆様へ。
子育てはみんな初めての経験。
いきなりお父さんお母さんになんかなれません。
ゆっくりゆっくりお子さんと一緒に楽しんで成長してくださいね。
応援してます!)
それから徐々に当店もお子様とご一緒のお客様をはじめ、色んな世代の方にご利用いただきました。
レジの近くの木馬は、いつも帰り際のお子様が「おウマさんパッカパッカ」と言ってよく遊んでくれました。
(私の感覚では97%のお子様がパッカパッカしてました(笑))
いつもお子様の元気な声で賑わう素敵なお店になりました。
たくさんの思い出ありがとうございます!
そして続けられなくて、ほんとにごめんなさい。
「イタリア食堂さんりんしゃ」あと数時間で閉店のお時間となりそうです。
たくさんの方に応援いただき、たくさんのお客様と出会うことができました。
ただただ感謝という言葉しか出てきません。
小さな街の、ひとりのおっさんの夢が叶いました。
本当にありがとうございます。
そしてお座敷イタリアン「さんりんしゃ」が少しでも皆様の思い出に残れば幸いです。
イタリアに行ったとき、何人かイタリア人の友達ができました。
お別れの時、「Arrivederci(さようなら)」だと涙が出そうになったので、笑顔でこう言ってきました。
Ci vediamo! Ciao! (また会いましょう!じゃあね!)
Kちゃん、ありがとう!